2月、グルジア人のモリス・クヴィテラシヴィリはSports.ruの少し重い、しかし誠実なインタビューに応じ、突然の調子の低下、燃え尽き、将来への疑念について語った。
今回、グルジアフィギュアスケート連盟は、クヴィテラシヴィリがキャリアを終了したと発表した。モリス自身はその後、これは小休止的なもので、日々やるべき事から解放され息抜きする必要があり、それ以外については新しいプロジェクトのため十分なパワーがあると明かしている。
28歳のクヴィテラシヴィリは、トゥトベリーゼのチームの男子選手の中で最も成功した最も年齢の高いスケーターである。彼らは15年近く一緒に練習をしてきた。その間、何度か辞めようとしたこともあったが、コーチらとの関係を手放したことはない。シーズン当初、渡航など物流問題が複雑になって、モリスが2カ月間イタリアのロレンツォ・マグリのもとに行った時でさえ、ビデオ通話でのコミュニケーションは途切れることはなかった。
彼らが一緒に過ごした年月の中ではたった1つの重要な勝利しか収めていないが、クヴィテラシヴィリは「クリスタル」チームの中で主要なフィギュアスケーターの一人である。クリスタルのコーチ達は彼と共に2008年から男子フィギュアスケートを発展させてきた。
彼は4回転の特別なテクニックを使用し、プログラムで高いジャンプを決めた。コーチたちは彼が自分にとって最も快適なプログラムを作ることを望むのをからかった。
クヴィテラシヴィリは13歳のときにトゥトベリーゼの指導を受けることになった。その時、彼は初めて氷上を離れようと考えたことがあった。彼は自分のキャリアをどう築いていけばいいのか分からず、トゥトベリーゼの元に「試してみよう」という気持ちでやってきたが、それがうまくいった。
モリスはジュニア時代にロシア代表として競技に参加たが、2016年にはジョージア代表として競技をするようになった。彼はトップの大会に問題なく出場し、自身のスタイルを形成し、経験を積み、審判の支持を集めた。それはまるでトゥトベリーゼが外国人とは一緒にやらないという自身のルールを破ったかのようだ。後にモーリスはジョージア代表のトップ選手として、コリャダ、コンドラチュク、サマリンなどのロシアのトップ選手を何度も国際大会で破っている。
モーリスは全部で4つの大きな賞を得た。それは、ヨーロッパ選手権の銅メダル、ロシアグランプリの銀メダル2つ、金メダル1つである。さらに、ユーロ大会での3位は、チーム内で待望の最初の獲得者の誕生として祝われ、この快挙を「最初の本物のメダル」と呼ばれた。
比較的成績が悪かった理由は、演技の不安定さだった。4回転ジャンプでミスをし、トリプルアクセルでミスをし、さらに3回転フリップやダブルアクセルでもミスをするということがあった。これらのミスの後には、「精神的には十分な準備ができていたが、いつものようにうまくいかなかった」という内容の説明があった。しかし、ここ数年、クビテラシビリはフリーで3つの4回転を宣言し、きれいにできたのは2022年の世界選手権での1回だけだった。
その半年前、フィギュアスケートの男子の弱さを嘆いたトゥトベリーゼは、「男子はトレーニングのやり方もガラリと変えなければならない」と決意した。
「なぜうちの男子たちはこんな変な結果で喜んでいるのか理解できない。『今日のスケーティングに満足できる』と5位に転落したばかりの選手が言う。そしてまわりの誰もが、少なくとも表彰台に立ってほしいと期待していたのに。なぜ？もっと自問自答しなさい、自分はできると。そうやって女子選手のように自分を高めていきなさい。」
そしてそのようにやったのがモリスだった。彼は、自分の演技をほとんど褒めなかったが、難易度を下げることもしなかった。そして実際、彼はグループの他の若い選手たちと比べて多くの成果を上げたが、世界のトップに立つことはめったになかった。彼が「自問自答する」ことが上手くいかなかったのは、テクニックの面だった。特に彼のトウループとサルコウは、驚くほど似ていた。
サルコウは、右足のエッジで押し切るという正しいやり方だった。
トゥループでは、左足のトウピックで押すのではなく、モリスは部分的にエッジの上に乗ってしまうのだった。
トゥトベリーゼチームの中で、このようなことをしたのは彼だけであった。ジャンプの演技構成を作る上では誰よりも有名なコーチ達だが、彼らは16年間、これを直すことができなかった。ある日突然、すべてを失う危険を冒してまでそれを壊して新しく作るより、そのままにしておいても4回転を武器にしたほうがいいと判断したのかもしれない。さらに、ジャッジは変なミスにペナルティを与えなかった。クヴィテラシヴィリは、きれいに着氷すればどちらのエレメンツでもほぼ同じ加点を受けた。
ジャンプの失敗は、難しいスピンとステップで補われた。モーリスは、他のクリスタルの練習生と同様、プログラムから最大限の力を引き出そうとした。そのため、彼らは常に最高の伝統の中でプログラムを構築し、その中に休息できる箇所を一切入れなかった。
しかし、モリス自身は他の選手と違って、多くのアイディアを提案していた。「モリスは、制作中に最も多くのアイデアを出す。自分が好きなこと、得意なことを提案してくる。一方、女子たちは、私たちを完全に信頼し、敬意をもって接してくれる。彼女たちは、自分たちのためにすべてが既に考えられていることを知っているのだ。重要なのは、来て、要求されたことをやることだ。」と振付師のダニエル・グラレイへンガウスは語った。
クヴィテラシヴィリは、16のシーズンを経て、最も多くのヒットナンバーを持っている。What is love、Way down we go、エルビス・プレスリーのFeeling Good等。ここには「Mask」、「Aladdin」や、Imagine Dragonsのショーのためのメドレーはカウントしていない。
クリスタルの練習制度は、なぜ男子選手にはうまくいかないのか？
トゥトベリーゼは、女子よりも男子の育成が難しいことを繰り返し強調している。
「私は女子を方がより理解できているし、彼女たちも私のため練習する準備がよりできている。課題が説明され、それが実行されるだけ。男子の場合はもっと複雑。彼らは自分が愛されていると感じたいの。同情されたいと思っている。そのために、1回転や2回転をして、見せつけるように自分をダメにするようになる。でも、同情してほしいという対象は私のことではないの。」
しかしながら、グループ内の男子スケートはいつも練習が行われているし、成功もしている。アレクセイ・エロホフ、アディヤン・ピトケエフ、ダニール・サムソノフらは常に国際ジュニアの頂点に立ち、セルゲイ・ボロノフはユーロとグランプリファイナルで初めてメダルを獲得し、キャリアを再開した。また、13歳の新星アルセニー・フェドトフ（写真下）は、国内でも大人顔負けの活躍を見せている。
それぞれ必ず大会時にウルトラシーを数本披露している。女子の優勝を考えると、この成績は印象に残らないが、他の比較的新しいスクールと比較すると高いのだ。
トゥトベリーゼのシステムは絶え間ないライバル関係に基づくものであるため、トレーニング中の男子選手たちの競争の欠如（これはフェドトフが不満に思っていたことである）も進歩を遅らせることになりかねない。
しかし人によっては、逆にそれが妨げになることもある。クヴィテラシヴィリも、彼女たちを見ていると、自分のキャリアがうまくいっていないと感じたと認めている。セルゲイ・ドゥダコフも、「男子の場合、調子のピークが来るのが遅いので、そこに到達する必要がある。しかし、シングルで成功している選手のそばで、崩れたり、あきらめたりしてはいけない。」と話している。
このチームの多くの生徒たちに共通する究極主義があったため、モリスはどんな状態でも氷に出ていき、キャリアの終了を延ばし、イタリアからロシアに戻ることさえも選んだ。イタリアでは毎日言語の壁、日常生活、過去の人生への郷愁と戦っていました。
「ショートプログラムが終わってから大会を辞退したことは人生で一度もない。熱を出したり、食べ物に当たったりしても。誰も望まないような場所で失敗するよりも、挑戦して失敗する方がいいと思う。慎重になりすぎると、後で後悔することになる。僕はこれを知っている。」
最も困難な2022/23シーズンでも、彼は慎重になることを許さなかった。彼の結果は、クヴィテラシヴィリのシニアのキャリアの中で最悪のものであった。絶え間ない移動と不確実性が、完全に燃え尽きた時期と重なったため、一時的に中断することが必要だった。
しかし、タチアナ・タラソワは、モリスがすべてのスランプにもかかわらず、自己を完全に実現したと考えている。彼は以前の年に比べてもっと上手に滑ることはできなかった。おそらくアレクセイ・ミーシンも彼を支持するだろう。ミーシンは、各スケーターには自己のポテンシャルがあり、成功はそれを100％引き出すことであり、トップ大会のメダルのセットを集めることではない、と述べていた。
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