トゥトベリーゼの下では男子シングルスケーターとの仕事はまた上手くいかなかったようだ。優れたイタリア人選手は、来てから半年で荷物をまとめてしまった

https://sport24.ru/figureskating/article-575275-italyanskiy-figurist-daniel-grassl-pokinul-gruppu-eteri-tutberidze-analitika-figurnoye-kataniye-novosti
この試みは当初、多くの疑問を投げかけた。

エテリ・トゥトベリーゼのスクールは世界的に有名だ。彼女の下へ行くことを目指すのはロシアの男子フィギュアスケーターだけではない。日本の宇野昌磨も練習のためにクリスタルに来たが、結局モスクワには残らなかった。イタリアのダニエル・グラスルは今年の初めにトゥトベリーゼのチームに加わったが、オフシーズンの終わりにはこのロシア人コーチとの仕事をやめると発表した。

「親愛なる友人の皆さん、アメリカとロシアで素晴らしい経験をした後、次のシーズンに向けて準備を続けるために、僕は8月にイタリアに戻ることを決めました。トリノのパラ・タッツォーリで、エドアルド・デ・ベルナルディスと共に練習する予定です。

アメリカとロシアでの経験は、とても役立つものだった。エテリ・トゥベリーゼのプロフェッショナルなサポートと指導に感謝します」とグラスルは自身のSNSに綴っている。

論理的に考えれば、どんなコーチも6ヶ月でスケーターを立て直し、変えることはできないもので、ダニエルの成績はヨーロッパ選手権で6位、世界選手権で12位と芳しくなかったのだ。シニアの4回転を持つ男子シングルスケーターにとって、これは良いと言えるものではない。結局、9月初めにグラスルはイタリアに戻り、そこでトレーニングを続けることを決めた。

彼らの共同作業の中から有意義なものが生まれたかどうかはわからない。トゥベリーゼが世界の舞台で活動してきた長い年月の間、彼女は強力な男子シングルスケーターを一人も育てることができなかった。これまでのところ、この有名校出身のスケーターらはジュニア・レベルで優勝するばかりで、シニアになってからは皆寂しい結果に終わっている。モリス・クヴィテラシヴィリでさえ、非常に不安定で、メダルをもたらすことはほとんどなかった。結局、宇野昌磨やダニエル・グラスルが登場しても、この図式は何ら変わらなかった。

グラスルは、トゥトベリーゼの下に所属している間に目立った結果を残すことができなかった。多くの選手がコーチ陣としてシステマチックに入れ替わり立ち替わり加わっているにもかかわらず、高いレベルにすぐに到達するのは不可能で、半年ではさらに難しい。数カ月でスケーターを自分の方法論に合わせて再訓練し、すぐに大会でその長所をすべて発揮させはれるコーチはまだいない。エテリ・トゥトベリーゼも例外ではない。

グラスルは当初、ジャンプの技術に優れていたわけではなく、トゥトベリーゼのチームでは、ルールや「教科書」通りにすべてをこなす選手は少数派だった。安定性も向上しておらず、滑走やスケーティングについて話すのは意味がない。なぜならそれはこのチームの最も弱い部分だからだ。したがって、6ヶ月の協力関係は、スポーツの観点から見ればダニエルに何ももたらさなかった。彼の移籍には当初、多くの疑問が投げかけられ、そして結局は彼は何も得られず去ることとなった。

「長いプロセスだったけど、エテリとの仕事は楽しかったし、今後も彼女と一緒にトレーニングを続けるつもりだよ。時間が経てば必ず結果が出るだろう。トゥトベリーゼの下でのトレーニングはハードだ。彼女はとても厳しいけど、それが僕のモチベーションを高めてくれる。だから良い。彼女と氷上に戻ることを、そしてさらにエネルギッシュにトレーニングすることができるのが楽しみだ。僕は氷上に戻るのは大変だった。僕の周りには沢山のヘイトがあったから。苦しかったから、何も読まないよう、何も見ないようにしていた。」とグラスルは1月に明かしている。ということは、わずか7ヶ月の間に、彼はこの選択肢が彼にとって行き止まりであることを悟ったということだろうか?

この話には、スポーツ的な要素以上のものがある。観客や専門家が今このスケーターをどう思うはわからない。当初は、チーム内で公然のドーピング事件があるような、評判が怪しい、資格停止期間中のコーチのところに行くことは、最善の考えではなかった。海外の観客の間で多くの疑問が投げかけられ、グラスルには大きな批判の波が押し寄せた。彼はこれから新しいコーチのもとで調子を取り戻すだけでなく、一定の評価ポイントも獲得しなければならない。

今のところ、エテリ・トゥトベリーゼは、すでに素晴らしい素質を持っている男子選手からトップ・シングルス・プレーヤーを育てる力はまだないと断言できる。ここでもまた、このスペシャリストがシニアの男子スケーターと仕事をする能力があるのかに疑問がある。おそらく、現在のジュニア選手たち(アルセニー・フェドトフなど)がこの流れを変えることができるかもしれない。ダニエルが退団した正確な理由については推測するしかない。トレーニング過程が合わなかったのかもしれないし、政治的な状況によるプレッシャーに耐えられなかったのかもしれない。いずれにせよ、これはトゥトベリーゼの男子選手に関する実績のマイナスポイントである。そして、次の変化を考えれば、新シーズンのグラスルに何か意味のある結果を期待するのは難しいだろう。もし彼がこのような試みを続けるなら、自国開催のオリンピックにさえ出場できないかもしれない。男子シングルのイタリア国内での競争は激化の一途をたどっているのだ。

 

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました