エテリ・トゥトベリーゼ:常にプレッシャーをかけることを習慣にはできない

Этери Тутберидзе: постоянное давление не может стать частью привычки - Интервью ТАСС
Об обмене опытом с другими тренерами и поиске мотивации в отсутствии международных соревнований — в интервью ТАСС

他のコーチと経験を共有し、国際大会がない中でモチベーションを見つけることについてTASSのインタビューで語った。

フィギュアスケートのコーチ、エテリ・トゥトベリーゼがTASSとのインタビューで、終了したシーズンを評価し、彼女のチームの選手の状態やイタリア人ののダニエル・グラスルとの仕事について語った。

エテリ・ゲオルギエヴナさん、シーズンはもうほぼ終わりましたね。国際大会に参加できない環境に適応するのは、心理的に難しかったですか?

私たちコーチ兼教育者は、選手たちが私たちを見習ってくれていることを理解しています。家族でもそうですが、何かあったとき、子どもは必ず親の反応を見て、それがどれぐらい怖いことなのかを確認しますよね。もちろん、私たちの姿勢としては、何かを奪われている様子を見せないようにして、モチベーションの高さを保ちながら、仕事を続けるようにしています。

今、アスリートのモチベーションの問題が取り沙汰されていますが、コーチにとっても簡単なことではありません。主観的なことや心理的なプレッシャーは、私たちの喜びにつながらないのです。私たちのチームに向けての誹謗中傷も少なくありません。そのような環境で素晴らしい作品を生み出すのは容易ではないのです。しかし、私たちは家族のようなものです。共に生き、共に悩み、共に責任を持ち、選手が競技をしたいと願うなら、それを助けます。私たちは、誰も見捨てたことはありません。

若いアスリートは、きっとこの点に関してはまだ少し軽く受け止めているのかもしれませんね?

サーニャ・アカチエワとアデリア・ペトロシアンは、今のところそんなに国際大会でのぼせ上がるようなことはありませんし、それぞれグランプリも2回しか経験していません。しかし、カミラ・ワリエワは全く違う話です。グランプリの舞台、ヨーロッパ選手権、オリンピックなどの国際大会に出場すると、国内大会に対する考えが少し変わってくるんです。でも、ロシア選手権だけは別物で、これは予選大会のなのです。

今シーズンのカミラは、信じられないほど大変だったと思いますが。

すべての状況を考慮すると、そうですね。そして、この先どうなるか、我々の誰にもわかりません。もしかしたら、もっと大変なことになるかもしれません。でも、なんとか彼女を必要なレベルに保ち、ウルトラシー(難易度を高めたジャンプ-TASS注解)の要素を保ちました。そして彼女はロシアグランプリファイナルで最高の4回転トゥループを見せてくれました。全スタートに登場し、1位となりましたし。本当に良かったです。

サンクトペテルブルクで滑った後、彼女は滑るのが大変だったと話してくれました。オリンピック前の選手権の記憶が蘇ってきたのでしょう。フリースケーティングの後、肉眼でそれが全て見えたのですが。

6分間のウォームアップ・ショートの後、彼女に何かが起きました。彼女は氷上から戻ってきて、「ここで滑ることはできない」と泣き出しました。私たちは、彼女になんとか気分を持ち直してもらうようにベストを尽くしました。彼女は、最終的に私たちが見せることがたものよりも、もっとずっと良い準備が出来ていたのです。まあ、常にプレッシャーをかけ続けることが習慣にはなり得ないということを、私以上に知っている人はいないでしょう。この話はもうやめましょう。

では、グランプリ最終戦の結果の話に移りましょう。今大会の前に、ロシアチャンピオンのソフィア・アカチエワとグランプリ優勝者のアデリア・ペトロシアンにどんな課題を課したのでしょうか?

彼らの課題は、新しい、より難しい内容に挑戦することでした。ソーニャには、前半にトリプルアクセルを2つ、2つ目の4回転トゥループを後半に移しました。しかし、彼女は少し体が成長し始めました。体の成長が起こると必要な機能がゼロになるのです。体や筋肉はそれに追い付かず、肺や心臓はまだ小さいままなのです。プログラムを少し軽くすることも考えましたが、心理的にそれは一歩後退することになってしまいます。

ソーニャが4位になった理由はどうお考えですか?

落ち着いた状態でいましたが、ミスが多かったです。でも、総じて言いたいのは、最初から最後まで結果を嘆くことに意味はないということです。私はペルミにはいませんでしたが、たとえばソフィア・ムラヴィヨワはエリザベータ・トゥクタミシェワに勝てたはずだったという話を聞いて不満に思いました。この選手たちは同じ内容なのですが、リーザの方がもちろん長年で培ってきたものは多いです。つまり、より複雑な内容でなければ彼女に勝つのは難しいのです。

そして、スキャンダルに次ぐスキャンダルで、あっちでは不当なことが行われ、こっちでは訴えが起こり、これはシーズン中、私を大いに苛立たせ、競争心を萎えさせました。審査の不公平感はこれまでも時々ありましたが、私たちのチームは競技の結果についてあえて議論することはありませんでした。教育と寛容さの問題だと思います。

では、選手の得点についてコメントを求めるのはやめて、グランプリの結果に戻ります。優勝後の記者会見で15歳のアデリア・ペトロシアンが言った「ここにたどり着くまでに本当に長くかかりました」というフレーズは、一部の人を笑わせました。

でもそれが事実ですからね。彼女は小さいので、演技構成ではちょっと過小評価されていました。年齢でもなく、身長でもなく、小柄だからです。アデリアには、グランプリファイナルで、後半にフリップとアクセルをやるという課題を与えました。

彼女のショートプログラムはとても素晴らしく、本当にうまくいきました。シーズン当初は、もっと高い点数に値すると思っていました。アデリア自身と衣装も、スケーティングも、すべてがマッチしていました。彼女がきちんとしたスケーティングをしていけば、徐々に構成要素で獲得していけると思います。美しく滑り、ジャンプをより良く、より安定的にしていけば。そして練習で、高得点に値することを示すでしょう。

それから感情的になることは成長にプラスでしょうかマイナスでしょうか?

今のところ役に立ってはいないです。

来シーズンのプログラムについてはもう話し合われていますか?

今のところ、彼女は 「サンボとマンボ」「何か楽しいこと」をやりたいと言っているので検討します。彼女はとても才能があるのですが、感情的になってしまい、まだできるような内容を提供することができません。今あるものを完全に組み立てるのはまだ先です。4回転は個別でやっているところです。

ダーシャ・ウサチェワについては、長い間、何の音沙汰もありませんでしたね。

長い間、ダーシャの回復に努めました。しかし、ジャンプを始めるとまた痛みが出てきてしまいました。おそらく心理的なもので、錯覚の痛みかもしれません。そのたびに、私は彼女をFMBA(連邦生物医学庁)に戻して相談し、診察を受けさせました。ドイツのクリスチャン・シュナイダーなど、さまざまな専門医のところへも行きました。医学的にはもう問題ないと判断されるまでになりましたが、それでも彼女はまだ痛みを抱えているんです。私は医者じゃないから、何とも言えないです。でも、彼女は跳べないのです。

オリンピック前の2シーズンを通しての彼女の内容からすると、この問題があったのはこの年が初めてではないような気がするのですが。もちろん、私が間違っているかもしれません。

実際、ダーシャはすでにこの問題を抱えて私たちのところに来ました。ここ2、3年、ノヴォゴルスクの合宿に来たときや、休養明けになるとすぐに、慢性的な痛みが出てきたのです。それを治療し、負荷を減らし、そして徐々に、かなり気をつけながらシーズンからシーズンへと移っていきました。ですから、ウルトラCのエレメンツに取り組む時間がなかっただけなのです。そして、我々が彼女の問題を悪化させることを恐れていたのです。もちろん、ダーシャの体調管理は常に行っていましたし、医師の管理下にもありました。昨シーズンも同じように始まりました。いつもはシーズンの初めには痛みが消えていました。今回は、腰の痛みがずっと続いていたのです。

では、もしかしたら、あの不運なグランプリのために日本に行く必要はなかったのではないでしょうか?それでも確か、サーシャ・トゥルソワが辞退したことで、ダリアはチャンスが増えたのでしたね?

もちろん、当時はオリンピックシーズンでしたから、ダーシャはどうしてもそのチャンスを生かしたがっていました。出発の2日前に、ダリアの母親、選手、医師が同席しての話し合いがありました。私は、彼女の動きから目で見ても痛みが増しているように思えたので、この出場を断固として反対しました。この会話の中で、ダーシャの母親は彼女の出場を訴え、ダリア本人は泣きながら、チャンスを与えてほしい、スタートから外さないでほしいと頼んできました。ダリアは、医師がそばにいてくれるから、自分の管理はしっかり気を付けて頑張るから、と主張しました。彼女は、最初の6分間練習まで、練習もできていませんでした。その結末を、誰もが見ていました。私たちとしては、選手に最高のチャンスを与えたいと常に考えていますが、今回は、完全に辞退を主張しなかったことを後悔しています。

つい最近、何気ない会話の中で、同じくフィギュアスケートをやっていた彼女の姉が、ちょうど彼女と同じケガで引退していたことを、医師たちが知りました。もっと早くそれを知っていれば、この問題への対処も違っていたのかもしれません。しかし、もう今はここで何も変えることができないのです。

彼女がアイスダンスをやってみたいという情報はありましたか?

ダリオ・チリザノというダンサーとペアを組もうとしていましたが、彼女には落ち着いて一緒に学べる相手を探す必要があります。一方、ダリオには、すでに競技に出られるような準備の整ったパートナーが必要です。ダーシャは、自分がダンスでうまくやれると信じています。前に進むための努力が必要なのです。

マイア・フロミフについてはどうですか?彼女は回復したかに見えたのですが、再びリンクから姿を消しましたね。

フォームも4回転も元通り回復していましたが、その後ひどい手の怪我がありました。ショートプログラムの最初のポーズから、彼女は踏み切りをした際、つまずき、左手でトゥの部分を掴んで、うまく氷をとらえられず、トゥピックが彼女の手に当たってしまいました。出血が多く、痙攣も起こりました。彼女は救急車で運ばれ、その後、手術が行われました。しかし手術はすぐには行われず、医師は特別な神経外科医を呼ぶために1日延期しなければなりませんでした。それほど複雑な怪我だったのです。

手術から回復するまでには長い時間がかかりました。ギブスを外して手を使えるようにするのにも時間がかかり、マヤは腰から45度も腕を持ち上げることができませんでした。この間、残念ながら体重は増えていきました。でも、彼女は退院して、そしてまた滑り始めました。体重と負担、その両方と同時に戦うことはできません。腰にとって危険なのです。今はまだジャンプはしていません。今は背中の問題があるので、コルセットをつけて滑っています。マイアが試練に次ぐを経験しているのはこういうことがあってなのです。

ダニイル・サムソノフがこのスポーツで歩んできた道は、決して平坦なものではなかったでしょう。誰もが、リンク脇の壁の下からかろうじて見えていた少年時代の彼を覚えています。それがもう17歳ですね。

彼は片方の膝を手術した後、回復するのが大変でした。しかし、試合に出るやいなや、もう片方の膝も気になり始めてしまったのです。それも手術を受けました。ダーニャはすでにリハビリを終えて、今は回復しています。3回転ジャンプを全て取り戻したので、彼と一緒にまた奇跡を起こして、ちゃんとした競技レベルに達することが出来るよう強く望んでいます。

今シーズンの大きなトピックは、イタリア人のダニエル・グラスルがフルスタルリヌイ(クリスタル)(トゥトベリーゼのチームが所属するサンボ70の一部門-TASS解説)に来たことでしたね。

彼はずいぶん前に私たちに連絡してきました。2年ほど前、彼は自分のコーチと一緒にここに来たいと言ってきましたが、私は他の専門家と経験を共有する準備ができていませんでした。その後、彼が練習していたボストンで再会しました。優秀な子で、模索していたので、彼にしかるべき場所を与えなければならなかったのです。ここに、違う国に来ることは彼にとって大変なことだったと思います。私たちは、できる限り彼を助けたいと思っています。

注目度が高かったので、欧州選手権は彼にとっては簡単なことではなかったと思いますが。

それは「批判の注目」と言ってもいいくらいです。ダニエルは、終わりのない批判のせいで、一時は本当に落ち込んでしまっていました。

グラスルは長く在籍するのでしょうか?

今はまだ予測できません。我々は長い計画は立てていませんでした。彼は練習し、働き、世界選手権に向けた準備をしているところです。

あなたはダニエルのコーチと自分の経験を共有したくなかったようですが、しかしながら同時に、あなたのチームで練習している、またしていた海外からの選手もたくさんいますが。

前は、他の専門家と経験を共有するという点では、私は常にとても閉鎖的でした。これまで数回しかなかったと思います。セルゲイ・ドゥダコフをチームに迎えた時と、ダニエル・マルコヴィッチ・グレイヘンガウスがやってきた時です。私たちはひとつのチームになりました。今私は熱心に自分の経験を他の専門家と共有するようにしているのです。しかし、実際に私たちは、他の国で演技をしている選手も含めて、指導しています。リーザ・トゥルシンバエワはカザフスタンでやっていた選手でしたが、彼女は他の誰とも同じように私たちの選手でした。モーリス・クビテラシビリやニカ・エガーゼは、ずっと私たちと一緒にスケートをやってました。

つい先日、ウェブ上で新しいプロジェクト、つまり、あなた方が参加する海外でのマスタークラスシリーズについての情報が流れました。このニュースは色々な意見を呼び起こしています。

それこそ今、私とあなたが話していることなのです。国際的に活動する機会を人為的に奪われている私たちに、突然、新しいことをするチャンスが訪れたのです。マスタークラスを通じてでいいのです、やらない理由はありません。今がその時だと思います。

私の知る限り、このアイデアはアレクサンダー・ラケルニク氏(国際スケート連盟の元副会長、TASS解説)が出したもので、私費で賄われるプロジェクトです。私たちのチームは、最初のマスタークラスシリーズの運営を任されましたが、次のシリーズは他の専門家が運営することになります。ロシアのフィギュアスケートだけでなく、フィギュアスケート全体にとって、ある程度は道筋が見えてくるのではないかと思います。どんな状況でも、前に進んでいかなければなりません。

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