UAEに新生スケーターが登場?サラ・ビン・カラム選手は12歳。ホッケー選手と一緒にトレーニングをし、夏にはルナ・ヘンドリックスの兄のもとへ

彼女はアイスショーを見てこの競技に目覚めた。

世界のフィギュアスケート界では、ロシアほどはこの競技が発達していない国も多くある。そういう国の選手たちは、リンクですべての時間を過ごし、自分の能力を最大限に発揮できるようなトレーニングをする機会がないのだ。今のところ、アラブ首長国連邦の女子フィギュアスケーターはザハラ・ラリのみである。サラ・ビン・カラムはまだ12歳だが、すでに代表選手の一員であり、アラブ首長国連邦を代表して国際舞台で活躍することを計画している。

彼女は数多くの大会に出場している。3月には、アブダビ・クラシック・フィギュアスケート・トロフィーで3位となり、これが代表チーム入りの主なきっかけとなった。コロナ禍の最中でも、サラはトレーニングを続け、ISUの大会に出場するための技術的な最低ラインを達成するよう努めた。

「(神の思し召しで)いつか自分の国が私を誇りに思ってくれるよう願っています。今回の選手権で3位になり、自己ベストを更新できたことをうれしく思います。まだまだ学ぶべきことがたくさんあると思いますが、氷上の1分1秒を最大限に活用できるように努力しています。決意と覚悟があれば、目標を達成し、この美しく素晴らしいスポーツでUAEに自分の足跡を残せると信じています。」

プロスポーツの世界では、サラのスタートは遅かった。6歳のとき、家族でドバイ・モールにスケートをしに行った。しかし、そのリンクはスケートショーのために閉鎖されていた。少女だったサラはショーを見て、自分もスケートをしたい、あんなに美しくジャンプしたいと思うようになった。しかし、父親はすぐには納得せず、最初は兄が練習していたホッケークラブに通わせることにした。しばらくして、両親はフィギュアスケートの方がサラに合っているのではと判断し、夢を追いかける機会を与えてくれた。

今のところ、ビン・カラムは二回転ジャンプしか習得しておらず、ダブルアクセルを安定させ、スタミナを向上させることに主眼を置いている。そして事実、彼女は驚異的なスピンを持っている。スピンはすべてがレベル4の難易度に達している。サラは、ホッケー選手とリンクを共同で使わなければならないという制約があるため、自由な時間をすべてリンクで過ごすことはできない。それでも、週に14時間練習し、同時に学校にも通っている。現在は中学1年生で、授業に遅れないように朝6時から練習を始めている。

サラ・ビン・カラムは、このようなルーティンワークが学業の妨げになることはなく、学校生活にも集中するのに役立っていると語った。彼女のいるフィギュアスケートアカデミーは、この若いアスリートをどうにかサポートしようと尽力しているが、それでも彼女は、自分にはあまり時間がないということを自覚している。世界のトップスケーター達は最低でも1日4時間以上、氷上で練習しているのを目の当たりにしているからだ。

その若い年齢と環境にもかかわらず、サラはフィギュアスケートの特徴を理解している。

「大会では、審査員がジャンプやスピン、全体的な演技を評価し、プログラムを入念に準備することの重要性を強調します。でも、フィギュアスケートの特徴は、メンタルと戦略的な構成にあります。もし、あるエレメンツが綺麗にできなかったら、その場で自分のプログラムをできる形に適応させることができなければならないのです。」

彼女はとても野心的で、自分の国だけでなく、もっと上を目指す準備ができている。彼女はベルガモの練習と、ベルギーでヨリック・ヘンドリックスとトレーニングをする予定だ。その後、サラはフランスに行き、世界最高峰の選手たちと一緒にトレーニングをする予定である。

フィギュアスケートがまったく発達していない国に生まれたサラ。彼女は、与えられた機会を最大限に活用する。練習用のリンクが足りず、トップクラスのコーチ等のスペシャリストがいない状況でも、彼女は止まることはない。メダルやタイトルを獲ることではなく、UAEのスポーツ界に自分の足跡を残し、自国の代表として国際舞台で堂々と活躍したいのだ

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