
優しい気持ちがサーシャとマルクを良い方向へ変えた。
アレクサンドラ・トゥルソワとマルク・コンドラチュクが正式に交際を始めてから1年が経った。北京オリンピックで積極的にコミュニケーションをとるようになった二人は、オリンピックから帰ってからも関係を深めていった。彼らは、2人の間に、単なる友情以上のものがあることにすぐに気づいた。目ざといファン達もそれを知っていた。このスターカップルは常に街で目撃され、お互いの無邪気な写真は細部に至るまで分析された。
この愛し合っているスケーターカップルは、海外でさえも平穏が与えられなかった。ドバイで初めて一緒に過ごした休暇中、サーシャとマルクは、パパラッチに扮したファンから常に追いかけられることになった。
こういったことにうんざりし、そして2022年5月8日、2人は自分達のロマンスを公表したのだ。
今やこの日は、彼らだけでなく、多くのフィギュアスケートファンにとっても重要な日である。とてつもなく美しく、強いカップルが誕生した日なのだ!
すべてを変えた写真
1年前、アレクサンドラ・トゥルソワとマルク・コンドラチュクが、肩を抱いているロマンチックなショットを、2人同時にSNSで公開したとき、メディア空間は文字通り爆発した。その写真に説明は必要なかった。キャプションの代わりに使われたハート型の絵文字は、何が起こっているのかをどんな言葉よりも力強く説明していた。ファンは歓声を上げ、「トゥルソチュク」という愛称で親しまれているこの若いカップルに、心の中でグラスを掲げた(おそらく誰かしらは、実際に喜びの瞬間を祝っていただろう)。
サーシャとマルクのこの写真は、今見ても鳥肌が立つ。長い赤毛の少女と、それを優しく抱きしめるボーイフレンド、広大な大自然に囲まれた、まさに映画のポスターのような理想的な絵である。
二人の関係を明らかにしたことで、彼らは過剰な注目を浴びることになったが、ゴシップや噂には終止符を打つことができた。彼らのソーシャルメディアのページには、すぐに官能的な写真がたくさんアップされ、人の目から遠ざかるプライベートでの逢瀬は、特別な響き、意味合いを持つようになった。
「まず第一に、私たちは写真に撮られていました。もちろん、隠すつもりはなかったのですが、一緒に歩くと毎回写真に撮られていたんです。そして、私たちの写真を掲載されたのです。あまり気持ちのいいものではありませんでした。そういうのは嫌なんです。写真を撮られ続けることで、安心して歩けなくなってしまったんです。それってすごくおかしいですよね。だから掲載することにしたのです。美しい写真が多くなればって。」とトゥルソワはSport24紙に語った。
「僕のお客さん」と氷上でのキス
ドバイでの休暇は、サーシャとマルクのエキサイティングな共同生活の幕開けとなった。昨年の夏、二人は多くの興味深いイベントや旅行に参加し、スカイパークでは、断崖絶壁の上をスピードスイングする目もくらむような乗り物に乗って神経をすりへらし、信頼の極限を試すような過酷な体験をした。


競技シーズンの始まりは、2人にとって新たなレベルの親密さをもたらした。サーシャは、エテリ・トゥトベリーゼのグループから、マルクが練習していたCSKAのスベトラーナ・ソコロフスカヤに移った。ロシアのロケット(トゥルソワのあだ名)は、愛する人との別離に耐えかねてチームを変えたのではないかという疑惑を否定したが、多くの人はまさにそう受け止めたようである。彼らの私生活や成績への影響などについてさまざまな憶測が飛び交い、彼らはそれを乗り越えなければならなかった。
「彼女の、マルク・コンドラチュクとの関係を考えれば、それは理解できることだと思う。それが役に立つのかはわからない。サーシャがよくわからない移籍をするのは、これが初めてではないわ、正直ね。彼女と親しくしてなかったし、それに関するインタビューも見ていないので、彼女がチームの移籍を何と結びつけているのかわからないし、それについて話すのは難しいわ。でも、彼女を世界レベルに引き上げたのはエテリ・トゥトベリーゼだったから、私にとっては変だなと思う」と、アンナ・ポゴリラヤはチャンピオン紙に語っている。
しかし、サーシャの突然の移籍に対する心配は、すぐに彼女の目に見える幸せによって一掃された。ボーイフレンドの絶え間ないサポートによって、サーシャはオリンピック後の困難なシーズンを乗り切り、怪我にもかかわらず、ロシアグランプリの2ラウンドに出場することができた。そして今度はまた、マルクにとっても、頼もしい心の支えとなった。観客席で彼の滑りを見守り、彼が背中を痛めて入院したときには、憂鬱な日々を明るくした。
「僕のお客さん」という可愛い呼び方で、コンドラチュクは、サーシャが病院を訪れたときそう呼んでいた。
トゥルソワとコンドラチュクの愛のエネルギーは、彼らが携わったすべてのアイスショーを成功に導いた。実生活でもカップルだった二人は、氷上でもカップルとなり、素晴らしいロマンチックな演目を観客に披露し、エフゲニー・プルシェンコのアイスショーでは本格的なラブストーリーを演じた。リンクの上を飛び、手をつなぎ、カメラの前でファンの羨望の眼差しを浴びながらキスをした。彼らは、感情を表に出すことが普通であることを証明したのだ。


マルクは、「Call me with you」という曲のもと、愛する人に新しい演技を捧げたりもした。そしてショープログラム大会では、自分が演じたリトルプリンスのバラがサーシャの象徴であることを認めた。
愛がサーシャとマルクを強くする
サーシャとマルクがもう交際1周年を迎えたなんて、実に信じがたいことだ。つい昨日のことのように、誰もがわくわくどきどきしながら、二人は付き合っているのか、それともただの友達なのか、と考えていた。そして今我々は、何百万人ものファンを感動させ、喜ばせる、強くて幸せなカップルを目の当たりにしている。


このロマンスは、この2人のスケーターが成熟し、個人的に成長する一助となった。サーシャは、自分の内にある女性らしさが出てきて、それがスケーティングや芸術性に良い影響を与えた。マルクは成熟し、目に見えないネガティブな流れから恋人を守る盾となった。このような変化は、彼の身近な同僚たちも気づいている。コンドラチュクのCSKAでの先輩であるアレクサンドル・サマリンは、トゥルソワとの関係が彼をより良い方向へ変えたと確信している。
「サーシャ・トゥルソワとの関係で、マルク・コンドラチュクとの関わり合いは変わったか?年を取ると、みんな何か別のことをするようになる。若い頃は、もっといろいろなことをするものだ。僕たちにはあまり時間がない。ロッカールームでは、おしゃべりしたり、楽しんだりする。でも氷の上ではみんな自分の練習があり、練習後は自分の用事をするもの。でも、サーシャと付き合い始めてから、マルクが何か大きく変わってしまったとは言えないね。僕が思うに、それは彼にとって役に立っているんだ。彼は成長したよ。」とサマリンはMetaratings紙に語っている。
トゥルソチュクには、待ちに待ったオフシーズンと夏が待っている。きっとそこでは再びロマンチックな雰囲気が始まるだろう。そしての後は、競技シーズンが始まり、試練がそれぞれを待ち受けているだろう。しかし、サーシャとマルクの調和と愛は、どんな困難も乗り越えていくだろう。
霧の地平線の向こうに何が待っていようと、大切なのは、2人の愛にあふれたハートが互いに鼓動し合うことなのだ。
コメント