
9月26日、CASはカミラ・ワリエワのドーピング事件の審理を開始する。全調査の中で最も重要な段階である。アメリカ代表チームはその結果を期待して待っている。北京五輪の団体種目でロシア代表チームの結果が取り消されれば、金メダルはアメリカに渡る。
海の向こうからスポーツ仲裁裁判所に圧力をかけようとすることには我々はもう慣れているが、世界選手権のメダリストであるビンセント・ジョウ(北京五輪の団体戦に出場)の今回の発言は、ありとあらゆる良識の範囲を超えているように思える。
このアメリカ人の声明は、Global AthletesとBBCのウェブサイトに掲載された。以下はその引用である。簡単に言うと、ジョウは主要なスポーツ組織を「俳優たち」と呼び、ロシアのフィギュアスケーターたちの集団ドーピングを非難した。
- 「CASは何度もロシアの味方をしてきた。最初はロシア選手への制裁を解除し、その後はロシアとRUSADAへの制裁を緩和した。この役者たちのパレードの中で、誰が僕や僕のチームメイトの利益、そしてより広いスポーツ界の利益を代表しているのだろうか?」
- 僕とチームメイトは、大会後の19ヶ月間、この件についてほとんど何も聞いていない。僕たちの利益が適切に代弁されると信じる根拠はない。オープンで透明性のある審理は、どのような決定が下されたとしても、アスリートがそれを理解する助けとなる。
- 「ロシアの『アンチ・ドーピング』機関は、既に10年以上にわたってロシアのドーピングを推進してきた」
- 「僕のチームメイトと僕は、他のロシア人フィギュアスケート選手の間でドーピングが蔓延していることを知っている。残念ながら、コンプライアンスを遵守しないアンチ・ドーピング組織が、いまだにロシア国内のスポーツの公平性を維持しようとしていることを考えれば、これは驚くことではない。」
- 「ロシア政府は情報を操作し、実験室のデータを破壊することで司法を妨害している。それにもかかわらず、ロシア代表チームはどのオリンピックからも除外されていない。」
この根拠のないスピーチには、裁判所に圧力をかけようとする意図が見え隠れする。面白いのは、このにこやかなヴィンセントはロシアの同僚たちと連絡を取り続けていることだ。アンナ・シェルバコワ、アレクサンドラ・トゥルソワ、マルク・コンドラチュク、アリョーナ・コストルナヤ、ユリア・リプニツカヤ、エリザベータ・トゥクタミシェワ、アリーナ・ザギトワ、ドミトリー・アリエフ、アレクサンドル・サマリンなど我々の選手達の多くのSNSをジョウはフォローしているのだ。ジョウは彼らのことも「ドーピング主義者」だと考えているのだろうか?
ロシアの 「フィギュアスケート界」は長くは待たなかった。有名なコーチたちが、このアメリカ人の言葉についてどう考えているかを紹介しよう。
アレクサンドル・ズーリン:「ろくでなしだな。ジョウは悪いスケーターではない。ただ、彼らは皆、ロシア人は敵だとプログラムされているから、何でも言いたい事を言うんだよ。」(リアノーボスチ紙)
アレクセイ・ミーシン:「私はジョウが良いスケーターだと知っている。しかし、彼はフィギュアスケートに対して否定的な見方をしている。なぜなら、ロシアのフィギュアスケーターが参加することで、我々のスポーツはさらに向上していくだけだからだ。」 (SE紙)
タチアナ・タラソワ:「どうして彼にわかるの?彼はここに来たことがあるの?何を言ってるの?彼はこの言葉の責任を取るべきよ!訴えられるべき」 (リアノーボスチ紙)
ジョウはソーシャルメディア上のコメントをすべて速やかに削除しているようだが、そのうちのいくつかはまだ彼のページに残っている。
「銀メダルのことは心配しないで。もう少ししたら手に入るよ。」これはコメントのうちの一つ。
「いい加減彼が黙るようにもう銀メダルをあげて。」と他のファンもコメントしている。
一方、ファンはロシアのブログにこのアメリカ人について思ったことをすべて書き込んだ。その一部を紹介する。
「自分がスポーツ選手の代弁をする事がなければないほど、カミラの事件についての意見を強調する。これは、無力さを浮き彫りにするリトマス紙のよう。」 (アンナ)
「アメリカ人は最もクリーンでまともなアスリートだ。彼らは何も使わない。葉っぱを吸い、喘息の薬を飲む以外は。でも、彼らはそれが許される、なぜなら病気だから。」(セルゲイ・ペトロフ)
「アメリカ人はみんな聖人だし、シモーネ・バイルズは価値があるし、ドーピングのサンプルを取る必要もないよね。」 (オルガ)
「この人、ジャンプの再評価後に15〜20ポイント点数が下がる選手?どれだけチームにメダルが欲しいんだろう。オリンピックのフリーでミスをして、彼の人生には二度とチャンスがないことを理解しているのかな?」(ナスティア・ネオン)。
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