北京2022:ITAよりフィギュアスケート選手カミラ・ワリエワについて

冬季オリンピック北京2022向け反ドーピングプログラムを指揮する国際検査機関(以下ITA)がフィギュアスケート選手カミラ・ワリエワの事例について報告する。

まずはじめに、ITAは北京にいるロシアオリンピック委員会選手団のメンバーであるカミラ・ワリエワ選手は未成年でありそれゆえ世界アンチドーピング規程における要保護者(16歳以下に適用される)であることを強調する。かくして、関係各者は彼女名前や彼女が関係したであろうどんな事例について必須で公開する前提になく、その代わりどんな公開も事例の状況や事実に準じたものでなければならない。

複数の報道機関が彼女に同様の保護を与えず、北京オリンピックフィギュアスケート団体戦の表彰式延期を追う非公式の情報に基づき大々的に報道したのを鑑み、ITAは公共の利益の高まりによる公式情報の必要性を認識する。

時系列的を述べると、同選手の検体はロシアアンチドーピング機関(RUSADA) の検査機関及び結果管理機関のもと、ロシア・サンクトペテルブルクで開催された全ロシア選手権2022の期間中2021年12月25日に採取された。

WADA認定のスウェーデン・ストックホルムの研究所が、検体は、不特定禁止物質トリメタジジン(世界アンチドーピング規程の禁止リストでは”S4. ホルモン調節薬及び代謝調節薬”に分類される)により違反が疑われる分析結果(AAF)を示したと2022年2月8日に報告した。

これに従い、RUSADAにより即時発効で同選手は一時的に出場停止となった。

北京冬季オリンピック2022に適用される国際オリンピック委員会 (IOC) アンチドーピングルール第15条に従い、一時出場停止を課すRUSADAの決定は、自動的に、一時出場停止期間中の同選手の北京冬季オリンピック2022を含むあらゆる競技参加を禁止した。

検体はRUSADAにより冬季オリンピックの前に採取されたことから、この事例はIOCの管轄外であり、従ってITAによって直接管理されなかった。IOCアンチドーピング規程に則して、ITAは即座に、RUSADAにより彼女に課された一時的出場停止はIOCをも義務付けるもので同選手は冬季五輪中の競技、練習、指導もしくは何らかの活動に参加する事を禁じられると同選手に通達した。

この事例はIOCの管轄外であるという事実により、また前述の要保護者という彼女の立場も考慮し、選手の未成年としての人格を守り彼女の身体的精神的保護対策に必要な全ての手立てが施行されてることを確実にするための通達に従い、ITAは公に事例を公開する事を控えた。

その間中すべてのしかるべき法的手続きが開始された。

同選手は、2022年2月9日のRUSADAアンチドーピング懲戒委員会の前に一時出場停止処分に異議申し立てをし、ヒアリングが同日行われた。
2月9日の夜、RUSADAアンチドーピング懲戒委員会は彼女の一時停止を解除することを決定し、そうして彼女の北京冬季オリンピック2022への参加の継が許された。一時的出場停止が解除された根拠も含めて、合理的決定が全関係者に近々発される。

世界アンチドーピング規程のもと、WADA、ISU、RUSADAそしてIOCは、スポーツ仲裁裁判所(CAS) の前で一時停止処分解除の決定に抗議する権利がある。IOCは、同選手が参加する事になっている2022年2月15日から始まる女子シングルの前に決定が必要だとして、RUSADAの合理的決定を待たずに抗議の権利を行使する。
オリンピックに関係するIOCアンチドーピングプログラムのITAへの委任に従い、ITAがIOCの代わりにCASへの抗議を率いる。
見かけ上のアンチドーピングルール違反の本案の訴訟手続きは、B検体の分析を要求する同選手の権利も含めて、RUSADAが追求する。
フィギュアスケート団体戦におけるロシアオリンピック委員会チームの結果における決定は、本事例の全争点に基づく最終決定がされた後にのみISUが下すことができる。

本件の法的続きが最終的に結論づけられていないことを考え、ITAはいかなる追加のコメントも出さない。あらゆる更なる情報は声明の形で発される。

Beijing 2022: The ITA informs on figure skater Kamila Valieva - International Testing Agency

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