
アリサ・エフィモバとアレクサンドル・コロビン。写真提供:Daria Isaeva、SE
キャリアを棒に振る、保護主義のスポーツ的実現。
最近はロシアのフィギュア選手たちの出場国変更の願いを定期的に耳にする。我が国でのとてつもない競争の裏側だ。全員が自分に祖国を代表するチャンスを見出しているわけではない。
例えグランプリシリーズであっても。欧州選手権や世界選手権は言うまでもない。
にとって自分を見せるたった1つのチャンスは、自分の力を他国代表で試すこと。
私達はすでに、アナスタシヤ・グバノワがグルジア代表として勝利するのを見届け、もうすぐエゴール・ムラショフがスイス代表デビューを飾る。
一方で全員の移籍が滞りなく進んだわけではない。多くの選手が露連盟から移籍を拒否され、キャリアが危機的状況に置かれている。
だが何のために連盟は強引に彼らを引きとどめる必要があるのか?

アリサ・エフィモバとアレクサンドル・コロビン。写真提供:Daria Isaeva、SE
エフィモワ&コロヴィンペアは世界に散った
移籍を伴う問題について私達はアレクサンドル・コロヴィンから知った。
イザベラ・ガメスとのペアでフィリピンを代表することを彼が同意したことはフィリピンスケート連盟の公式ツイッターから出てきた。
現地のSNS向けの小さなインタビューはイザベラのみが話し、コロヴィン自身は彼女のわきに立ち何も話さなかった。その後すぐ何社かのロシアのマスコミ(Sports Express含む)はアレクサンドルと連絡をとり最新ニュースにコメントするよう依頼した。
コロヴィンは拒否し、まだ全ての問題が整ったわけではなく、記者の質問に答える前に今は全ての法的問題の解決を待つ必要があるとほのめかした。
ガメス&コロヴィン組がまだ国際試合に出ていないことから判断すると、問題は今もまだ解決されていない。
コロヴィンの前パートナーであるアリサ・エフィモワもまた困難を抱えている。
アリサはスポーツ国籍変更の申請を昨年10月に提出したが、一方で露連盟からの公式解答を結局彼女は待ちきれなかった。
やはりエフィモワは自分のことにおいて決断力がある。彼女は露連盟が彼女の意思に反し引き留めているということをオープンに話し、ロシアからの禁止を顧みず自身の新たなパートナーのルーベン・ブロマールト共にドイツ選手権に出場した。
国内大会にISUの制裁は及ばない以上、技術的には違反はない。
露連盟会長のアレクサンドル・ゴルシコフが、2019年ユニバーシアード王者の欧州へ移籍したいという願いについてインターネットで知ったという事実は彼の気を悪くしたかもしれない。
この投稿をInstagramで見る
私達は選手たちを大きな大会の経験が得られないよう制限してしまっている
そして最新の話へ。
この夏エフゲニー・ルカヴィツィンのグループからイタリアへマリヤ・タラライキナが移動した。自身の決断について彼女はコーチにも連盟にも知らせなかったことにより、すぐ反応を得た。
8月には連盟の会長は、マリヤは移籍の承認を受けなかったと明かした。
先日、Sport Expressのインタビューでタラライキナの親友でルカヴィツィンのグループで一緒に練習していたエリザヴェータ・ヌグマノワが、マリヤには新代表チームへの移籍に困難があると明かした。「残念ながら、全てがそんなに単純なわけではなく、移籍には問題がある。でも全てが可能な限り早く解決されて欲しいと願っている。」とヌグマノワは語った。
タラライキナ自身はコメントを避けているが、加えて、自身のインスタグラムを消した。タラライキナが欧州になれるのを助けていたアンゲリーナ・トゥレンココーチも同じく少し待つよう頼み、まだ何も明らかにしていない。
タラライキナは大規模大会ではロシア代表で出場しておらず、長い間ハイレベルスポーツの領域外にあった。
一方最近では直近2シーズン世界選手権や国内選手権に出場したあらゆる選手はスポーツ国籍を自国連盟の同意なしに変更する権利がない。これらのISUのルール変更は、ちなみに、露連盟の提案の後に承認された。
ロシアが最初にこの実践的な保護主義を自分で用いることを決定しても何も不思議ではない。キャリア上の重要な目標がロシアカップファイナルで銅を取ることである今後のスポーツ選手は、海外に移る前に連盟から承認を受けることを義務付けられた。
エフィモワ&コロヴィンはクラスノヤルスクのユニバーシアードで優勝したが、学生の大会はISUの管轄外だ。
チャレンジャーシリーズやグランプリシリーズにも1度2人は事実出たけれども。彼らの場合、お役人たちの選手をキープしたいという願いがよりシンプルに説明される。

マリア・タラライキナ。写真提供:Daria Isaeva、SE / Canon EOS-1D X Mark II
問題を解決する最善策は、金銭的代償
私達にはペア選手は十分に蓄えがあり、アリサとアレクサンドルはそこまで頻繁にはタマラ・モスクヴィナ、ニーナ・モーゼル、エテリ・トゥトベリゼの最強の強豪たちには加わらなかった。
その上、彼らのスポーツへの道はほぼ2年前になくなり、エフィモワとコロヴィンが新たなパートナーと共にロシアで代表の一員となるチャンスは最小限だ。
タラライキナが自国でグランプリシリーズたった1試合に出るチャンスはもっと少なかった。彼女のキャリア上の最高の成績は2つのプログラムを合計しても200点を超えない。ロシアでは合計20人以上が4回転とトリプルアクセルを飛んでいることを考慮すると、猛烈な(奇跡的な)進歩なしにはマリヤは余分な人員になってしまう。
それに対して、イタリアではカロリーナ・コストナーの引退後女子シングルに置ける危機が生じており、強いロシア女子は彼らにはちょうど良いだろう。
同様にドイツでは、オリンピックチャンピオンの引退がペアに喪失をもたらし、一方フィリピンではフィギュアスケートはほぼゼロから立ち上げている。
私達のフィギュアスケート選手は自身の移籍をしてただ自分のキャリアを守っているだけではない。彼らは、フィギュアスケートをロシア、アメリカ、日本の3カ国だけに閉じこもらないようにしながら、世界のフィギュアスケートを守っている。
自身の才能を役人から守る願望には賛成できる。
それにさいし個々の出来事をとても注意深く見ていく必要がある。部隊が戦士を失ったことに気付かない時、他の代表チームでこの戦士は成長のチャンスをえる、という展開がある。
私達にとって唯一のスポーツ的リスクは、同じくイタリアが団体戦で強くなると言うことだが、我々の盤石の強さの蓄えは少なくとも面白く聞こえるほど大きい。
問題解決の最善策は戦略的観点を伴う類推での移籍に対しての明快でわかりやすい金銭的代償。
でも全ては経済に行きつき、フィギュアスケートにおける経済は今最高の状態ではない。特にパンデミックという面で。

コメント